プリキュアで10年以上信じられている“7つのウワサ”を検証するサラリーマン、プリキュアを語る(2/3 ページ)

» 2020年10月22日 18時00分 公開
[kasumiねとらぼ]

プリキュア7つの流説

プリキュア7つの流説

  • プリキュアは半年で終わる予定だった
  • 親からクレームが来て水着が禁止になった
  • 銀魂のプリキュアパロディーで東映アニメが大激怒した
  • プリキュアは成人男性もターゲットになっている
  • ラスボスと結婚したプリキュアがいる
  • 「アナ雪」ブームで「Go!プリンセスプリキュア」が作られた
  • 映画でプリキュア同士が戦ったら子どもが泣いた


プリキュアは半年で終わる予定だった

 「プリキュアはもともと半年で終わる予定だった。人気が出たから1年続いた」という流説があります。

 ストーリー的に半年でプリズムストーンを集め終えたことがその証拠である、とされています。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ ふたりはプリキュア(画像はAmazon.co.jpから)

 しかしこれは正確ではありません。プリキュアはもともと1年の予定であったことは何度も各媒体で触れられ、例えばかつて刊行されていた『プリキュア新聞 2014年春号』で鷲尾プロデューサーは下記のように語っています。

04年の第1作「ふたりはプリキュア」は、1年やりましょうという話でした。青息吐息でいくくらいなら、物語上は半年で全部解決するくらいで始めて、できるようならその先、考えましょうと。だからプリズムストーン7つを1年で集める話が、半年で集めきっちゃったんですよ。そこから先はストーリーを作っていくのに必死で。
日刊スポーツ新聞社『プリキュア新聞 2014年春号』鷲尾天インタビュー


 「とにかく前半から盛り上げて突っ走ろう」という思いが物語を半年で一段落させてしまい、その結果として「半年で終わる予定だった」という流説になっていったようですね。

結論

 「ふたりはプリキュア」は、最初から1年放送される予定だった。


親からクレームが来て水着が禁止になった

 「フレッシュプリキュア!(2009年)の蒼乃美希の水着姿に保護者(PTA)からクレームが来て、以降プリキュアでは水着が禁止になった」。これも良く聞きますよね。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ 「フレッシュプリキュア!」の4人。一番左が蒼乃美希(画像はAmazon.co.jpから)

 しかし、これも間違いです。

 プリキュアは確かに一時期かたくなに水着表現をしなかったのですが、それは初代「ふたりはプリキュア」のときに、当時の鷲尾プロデューサーが子どものためを思い自主規制した結果であり、親からのクレームによって外圧で水着がNGになったというわけではありません。

結論

 プリキュアの水着は、子どものことを思い「自主的に」表現をしなかった時期があった。クレームによる外圧でNGになったわけではない。


銀魂のプリキュアパロディーで東映アニメが大激怒した

 アニメ「銀魂」内で、プリキュアのパロディーを放送したら東映アニメに怒られた、という流説もあります。

 一度ならず二度もパロディーにしたことで東映アニメ側や一部の声優さんが大激怒し、当時の銀魂アニメの監督、制作プロデューサーを本社に呼びだし「法的手段に訴える」と全員を土下座させた、というトンデモないものです。これも一部では固く信じられているようです。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ さまざまな作品のパロディーをやっていたアニメ「銀魂」(画像はAmazon.co.jpから)

 これもソース不明な情報が面白おかしく語られており、明確な証拠はありません。銀魂アニメの関係者内では「これは大丈夫か?」「怒られないか?」などの議論は常にあったとはいい、その銀魂内での話に尾ひれがついて拡散されていったものと思われます。

 そもそも、本当に訴訟沙汰に近い問題なっているのであれば、関係者が面白おかしく語るはずはありません。

 プリキュアサイドの証言としては、書籍『プリキュアシンドローム』(幻冬舎、2012年)で当時の鷲尾プロデューサーと声優さんが「ふたりはタマキュアSilverSoul」に触れ、プリキュアのパロディーを好意的に捉えている旨の発言をしています。

鷲尾 「プリキュア」がこういうパロディをされるようになって驚いたんです。
前田 こういうパロディは多かったですよね。アニメの「銀魂」(第五十話「節目節目に気合を入れ直せ」)でも「ふたりはタマキュアSilverSoul」って。
鷲尾 ありましたね。「MaxHeart」と「Splash☆Star」の変身と必殺技シーンを混ぜたパロディ。しかもおばあちゃんふたりがやってるんですよ。
仙台 私はたまたま家でテレビを観てて、びっくりしたけど笑っちゃいました(笑)。
鷲尾 あそこまでやってもらえるのなら、パロディにされるほうは本望です。作品の認知度が低かったら誰もパロディをやってくれませんから、うれしいことです。
幻冬舎『プリキュアシンドローム!<プリキュア5>の魂を生んだ25人』(2012年)P320


 そう。プリキュアのプロデューサーも声優さんもプリキュアのパロディーを怒っているどころか、喜んでいたのです。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ 書籍『プリキュアシンドローム』には貴重な証言が載っています(画像はAmazon.co.jpから)

結論

 当時のプリキュアのプロデューサーは銀魂のパロディーに怒っているどころか、好意的に捉えていた。


プリキュアは成人男性もターゲットになっている

 これも良く聞くデマの1つです。Google画像検索をすると19〜30歳男性が「プリキュアのコアターゲット」となっている謎の写真が出てきたりもします。

 この写真はかつて自分が検証したところ「DVD販促用の資料」ではないかと結論づけました(右側に販売用のカードが映っています)。

 つまり「プリキュアというアニメ自体のターゲットに成人男子が含まれる」のではなく、「プリキュアのDVD購買層には成人男子が含まれている」というだけなのです。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ 昨今ではプリキュアは子どもと大人に向けてイベントもやっています(画像はAmazon.co.jpから)

 プリキュアは各媒体のインタビューや、東映アニメーションの株主総会などでも「子どもたちのためだけ」に作っていると明言しています。

 ただ「大人の視点」を考慮していないわけではなく、プリキュアは「保護者の視線は考慮している」とも各媒体のインタビューで書かれています。

 また、プリティストアで売られている周辺グッズには大人向けに作られているものも多々あったり、大人向けのイベントも開催されていたりもします。

 この2つの概念「アニメは保護者(大人)を意識している」と「グッズやイベントは大人をターゲットとしたものもある」が合わさることにより「プリキュアは大人にも向けて作られている」という流説につながっていったものと思われます。

結論

 大人もターゲットにしているのは一部のグッズやイベントだけで、アニメ自体は子どもと保護者がターゲットであると明言されている。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」