「おいしそうにご飯を食べる」「敵と一緒にごちそうさま」 デリシャスパーティプリキュアが子育て世代にも支持される理由サラリーマン、プリキュアを語る(1/2 ページ)

デリシャスパーティプリキュアで描かれる「ごはん」は本当においしそうなのです。

» 2022年02月24日 18時00分 公開
[kasumiねとらぼ]

 2022年2月6日にスタートしたプリキュアシリーズ第19作「デリシャスパーティ・プリキュア」(・はハートマーク。以下省略)。

 「ごはん」がモチーフのこのプリキュアは放送開始とともに大反響。ある理由により子育て世代の親御さんからたくさんの感謝の言葉が発信されました。

 好調な滑り出しとなった「デリシャスパーティプリキュア」。開始1カ月で何が描かれたのか振り返っていきます。

デリシャスパーティプリキュア デリシャスパーティプリキュアの3人

kasumi プロフィール

プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。


「ごはん」をモチーフにしたプリキュア

 「デリシャスパーティプリキュア」のキャッチコピーは「ごはんは笑顔 みんなあつまれ!いただきます!!」。「ごはん」をモチーフに、「ありがとうの気持ち」と「シェアする喜び」をテーマにしたプリキュアが描かれます。

 今作は、世界中のおいしい料理が集まる街「おいしーなタウン」を舞台に、キュアプレシャスら3人のプリキュアが、エナジー妖精とともに「みんなのおいしい笑顔」を守るため怪盗ブンドル団に立ち向かいます。

 3人のプリキュアは、それぞれ「和・洋・中」の意匠を取り入れた可愛らしいデザイン。キュアプレシャスの変身後の決めポーズには稲穂が描かれたり、お供の妖精たちもお米、パン、麺がモチーフだったりと「食」を意識した世界観となっています。

デリシャスパーティプリキュア 変身前の3人。実家がそれぞれ飲食業を営んでいるのも特徴

保護者からの感謝の言葉

 そんな「ごはん」をモチーフにした「デリシャス パーティプリキュア」。作中ではおにぎりやオムライスをはじめ、たくさんの料理が登場しプリキュアたちがおいしそうに食べるのです。

 この食の描写が大反響となり、子どもはもちろんのこと、子どもの食事に悩んでいる子育て世代の保護者からSNS上でたくさんの感謝の言葉が発信されました。

「食が細く低血糖症になりがちだった3歳の娘がプリキュアを見てオムライスが食べたいと言ってくれた。“食べたい”と言ってくれた事、メニューをリクエストしてくれた事が嬉しかった。プリキュア本当にありがとう」

「食に興味の無かった息子が、おにぎりが食べたいと言い出したので、あわててご飯を炊いた」

「5歳の子供も夢中で見ていました!うちの子も食が細いですが、このプリキュアを見た後の食事を完食していました……」

「いただきますとごちそうさま、食べることに幸せを感じることなどなど、子どもに伝えたいなぁと思っていたことをプリキュアちゃんが可愛く優しく楽しく教えてくれるからまた見せたいと思いました」

「4歳の娘はあっちにフラフラこっちにフラフラでご飯が終わらず最後は怒られて半ベソで食べるのだが、なかなか口で言っても理解できないからプリキュアがやってくれるとスッと飲み込めるみたい」

デリシャスパーティプリキュア アニメ内ではおいしそうなごはんが丁寧に描かれています

 実際、子育て世代の保護者からは「子どもの好き嫌い」や「ご飯を食べない」などの悩みも良く聞きます。

 そんな中、プリキュアたちがおいしそうにご飯を食べる姿は子どもたちの憧れとなったのでしょう。「ごはんは笑顔」と呼びかける「デリシャスパーティプリキュア」が、各家庭の食育の手助けにつながっていくと良いですよね。

デリシャスパーティプリキュア お茶受けにキュウリのスティックを食べる和実ゆい(キュアプレシャス)

 本作のプロデューサーである東映アニメーションの安見香さんは、「主人公の大切にしている言葉「ごはんは笑顔」を通じて、あたたかい気持ち、ありがとうの気持ち、そして分かち合う喜びを描いていきたい」と語っています(徳間書店『アニメージュ』2022年3月号 P69)。

敵にカロリーを与え笑顔にするプリキュア

 さて、そんな「デリシャスパーティプリキュア」。ブンドル団の怪物ウバウゾーとの戦い方も「食」を意識したものとなっています。

 それを象徴するのが、主人公キュアプレシャスの技「500キロカロリーパンチ」です。

デリシャスパーティプリキュア パンチを繰り出すキュアプレシャス(画像はYouTubeから)

 腕に500の文字が浮かんで、敵に500キロカロリーを与える(?)パンチを繰り出し攻撃します。

 その後、決め技「プリキュア・プレシャストライアングル」を受けた敵は「お腹いっぱ〜い」と笑顔になり、キュアプレシャスと一緒に「ごちそうさまでした!」と手を合わせ消えていくのです。

 敵を倒すのではなく、敵を「お腹いっぱいにして笑顔になってもらう」という本作の描写は、「ごはん」は自分が食べるだけではなく、誰かを笑顔にするものである、ということを示唆しているようにも見えます。最後は「ごちそうさまでした!」で締めるのも良いですよね。

デリシャスパーティプリキュア 和実ゆいが変身するキュアプレシャス

 また、本作のキーアイテムとなるお料理に宿る妖精「レシピッピ」は、お料理を大切に思う気持ちが強いと見えて、大人になると次第に見えなくなるとされています。

 今作のプリキュアは大人になってもレシピッピが見えるように、子どもたちに「料理への感謝の気持ちを持ち続けてほしい」ことを伝えているのです。

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